『近代世界システムと植民都市』刊行
2005年03月01日
category= books
夜遅く帰宅すると届いていました。布野修司編著『近代世界システムと植民都市』(京都大学出版会、2005年2月)。刊行おめでとうございます。僕も含め、何人かが執筆分担ということになってますが、実質的には全編が布野修司の書き下ろしです。
京大布野研(僕の出身研究室)が1997年から取り組んできた世界植民都市研究の、最初の総括の本ということになります。今年で14年目となる布野研の、後半の7〜8年は、この世界植民都市研究(と京都CDL)が柱だったのではないかと思います。世界植民都市研究とは何と大げさなと、そう思われる方も多いでしょう。布野自身も、「ここまで連れてこられるとは」と、あとがきに書いていますが、むろん全体を見とおすことには独自の意義があります。問題は根本的な関心や立脚点をどこに置くかで、布野の文章は目配りがよすぎてそれが見えにくくなるきらいがありますが(反対に僕の書いたものを、布野はいつも「つまみ食い」と言う)、弟子たちはいくつもの課題をもらっているわけですから、そのなかの一番大事なものを、自分の問題として最大限に展開させるのが礼というものかと思います。
僕自身は、この一連の研究を横から見ていたおかげで、日本植民都市の世界的な位置づけが少しは分かるようになった気がします。もうひとつ、この間にわがままを言ってカリブ海域の諸都市を1人でのべ6週間ほど廻る機会をいただいたのですが、これはホントに貴重な経験でした。いくつもの過去が織り込まれて現在をつくっていくプロセスが、しかも将来のいくつもの展開へと開かれたかたちでおおらかに横たわっているような、そういう街の姿をいくつも見ることができたからです。そういう目で、台湾の都市を開いているつもりです。

